最新カンガ事情
最新カンガ事情
ケニア、タンザニアにおける2011年12月現在の
最新のカンガ事情について記しておきたいと思います。
●ケニアではファッションアイテムとして人気上昇中
ケニアでは2009年くらいから、カンガが見直され始め
カンガを使って作った衣服が最新ファッションとして流行しています。
女性に人気の高いあるテレビ番組で、カンガが取り上げられ、
その歴史やジナ(カンガセイイング)についての解説や若手デザイナーによる
カンガファッションが紹介されたことも流行に拍車をかけたと思われます。
この二年の間にますます人気が高まり、同系色の別布とあわせてスーツを作ったり、
ブラウス、あるいはデラとよばれるワンピースを作ったりと
テキスタイル生地として使用されるようになっています。
また、巻き布としての価値も再認識されてきたようで、ナイロビ市内の中心部でも
カンガをまとっている女性を見かけるようになりました。
ここ15年の間、ナイロビ市内中心部ではほとんど
カンガ姿をみかけることがなくなっていたため
カンガ姿が復刻したのはとてもうれしいことです。
ナイロビ市内の高級ブティック店員は、ケニアの若い女性たちが
カンガ文化の重要性を再認識しはじめている、と話していました。
巻き布やショールといった実用性、ジナのコミュニケーション機能といった
カンガ本来の役割を保持しつつも、
新たに最新ファッション性が付加されたカンガの
今後の展開がとても楽しみです。
一方で、ケニアのカンガ価格が急騰しており、
大変驚きました。綿製のカンガは、今年の3月時と比較すると
なんと1.5から1.6倍にも高騰しています。
また、タンザニアのカンガと比較すると、単純ドル換算では
約2倍近いという高価格になっています。
その背景には、世界的な綿市場の高騰があるとのことです。
こうした綿製のカンガが高級化する一方で
タンザニア産のポリエステルカンガはぐっと安価で
販売されていました。
中には、シャワーカーテンか、と突っ込みたくなるほど
トゥルンとした質感のものもあり、
何も知らない観光客にこれがカンガであると
認識されでもしたら、とても残念なことになるなあ、と心苦しくなりました。
●タンザニアではポリエステルカンガが市場を席捲
2009年ころからタンザニアではポリエステルが混合されたカンガが少しずつ出てきましたが
この11月ではかなり広まっており、良質の綿製のカンガが大変少なくなっていました。
100%綿のカンガと比較すると廉価であるため、
広まっていったのではないかと思われます。
また、小売人たちも、たとえポリエステルであろうと、
「綿」と言っているので本来、あまり素材にはこだわっていないのかもしれません。
10年以上ものも付き合いになる、あるカンガショップのオーナーは、
「カンガは100%綿でなくてはカンガとはいえない、
だから、うちでは綿以外のカンガは扱わないんだよね」と話しており、
カンガへの愛と気概を見せてくれました。
ポリエステル化は、カンガだけに留まらず、
キテンゲなどのアフリカンプリント全体にも及び、
良質の綿のものを探すのに一苦労です。
遠めで見て、デザインがいいなあ、と思って近くによってみて、
手で触って確かめるとトゥルントゥルンのポリエステル。
今回、何度、がっかりしたことでしょう。
最後には、みんなが私の求めている品質を知るようになり、
ポリものを売っている人たちは
ぜんぜん声をかけないようになりました。
カンガやキテンゲなどのケミカル化は、いたし方ないのかも知れませんが
やはり私も、先のショップオーナーのように
伝統と品質にこだわりながら、良質のカンガなどをご紹介していきたいと
改めて今回強く思いました。
2011-12-14 12:01:00
店主の日記
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